小児歯科・マタニティー歯科

まずは歯医者さんに慣れることが大事です

歯科医院は、大人でも行きたくないものです。ましてや、小さなお子様が嫌がるのは当然です。もし、無理に押さえつけて治療をすれば、歯科医院に対する恐怖心が染み付き、大人になっても歯科医院に通わないということにもなりかねません。もしそんなことになれば、歯の病気に罹ったり歯を失ったりする確率はグンと高まります。

当院では、小さなお子様が歯科医院になじんで、恐がらずに治療を受けられるようになるまで、担当のスタッフがトレーニングいたします。実際、初めてご来院頂く時には怖がって泣いているお子様はいらっしゃいますが、治療後に泣いているお子様や再来院を嫌がるお子様はほとんどいません。まずは、怖がらせない。これを大事にしていきましょう。

0~3歳の小児歯科

乳歯は、全部で20本生えてきます。もちろん、永久歯に生え替わっていきますが、乳歯の時の習慣やお口の中の状態は、その後に大きな影響を与えます。

「噛む」ことで、知能が発達していきます

食べ物をよく噛むことで、顎の振動が脳に伝わり、脳細胞を活性化させ、知能の発達を促すという学説があります。お子様の将来のためにも、しっかりと「噛む」ということを大切にしていきましょう。

「噛む」ことで、元気な身体が作られます

噛むことで唾液が出ますが、この唾液には、実は殺菌効果と消化作用があります。食べ物をきちんと噛めるようにしないと、唾液の量が減り、お口の中の環境維持が難しくなったり胃腸の消化吸収を助ける能力が低下していったりします。

歯磨きのポイント

最も大事なことは、歯磨きという行為を嫌いにならないようにすることです。笑顔で優しくマッサージをするように歯磨きをしてあげるようにしましょう。

1歳:脱脂綿に水を含ませて、歯を拭いてください。

2歳:歯と歯の間や奥歯のミゾの部分に気を付けて、お母様が磨いてください。歯磨き粉を使う必要はありません。

3歳:お子様に自分で歯を磨く練習をさせるようにしましょう。最後にお母様が仕上げ磨きをしてあげてください。

4~8歳の小児歯科

この頃になると、そろそろ永久歯が生えてきます。乳歯にむし歯があると、永久歯がきれいに生え揃わないことがありますので、この時期は、歯科医院に通い予防やメンテナンスに気を配るようにしましょう。ここでしっかりとケアをすることが、お子様の将来に大きな財産を残すことになるのです。

歯並びが悪くなる原因 ワースト5

お子様の歯並びが悪くなる原因を知り、ご家庭でのケアや歯科医院での治療で対策をしていきましょう。

第1位:乳歯が早く抜けてしまった時

第2位:乳歯がむし歯になってしまった時

第3位:乳歯が抜けずに残ってしまった時

第4位:アゴが小さく発育した時

第5位:指しゃぶり・ほほ杖・口呼吸などのクセがある時

歯磨きのポイント

奥に永久歯が生えてきますので、今までよりもブラシの先が届きにくくなります。さらに、奥歯の噛み合せの溝が細かくて狭くなるため、磨きにくくなります。しっかりと丁寧に磨くように指導してあげてください。

シーラントで、むし歯予防を

奥歯の溝はどうしても磨き残しが多くなり、むし歯の原因になりがちです。そこで、あらかじめ溝にプラスチックを埋め込んでむし歯を予防する方法があります。これを「シーラント」と言います。良い噛み合わせのためには、奥歯が健康な状態に保たれていることが重要です。他の歯は奥歯を基準にして生えそろっていきますので、特に奥歯を大切にして頂きたいと考えています。

(左)処置前 (右)処置後 溝の白い部分がシーラントです

9~12歳の小児歯科

この時期には、全ての永久歯が生え揃います。永久歯は一度失うと二度と生えてきませんし、治療をすると噛む力や見た目が劣っていきます。日々しっかりとケアをして、長く保つようにしていきましょう。

歯はスポーツにも影響します

スポーツをする時に強い力を発揮するためには、歯並びをキレイにして、奥歯でしっかりと噛みしめることができるようにすることが必要不可欠です。小学校高学年から中学生くらいには、部活などでスポーツに取り組む機会も増えていきますので、しっかりと噛みしめることができるキレイな歯並びを作っておきましょう。

歯磨きのポイント

寝る前の歯磨きを習慣にし、歯と歯の間や、奥の溝に磨き残しがないか確認してください。「テスター」という、磨き残しを確認できるものもあります。また、歯並びが良くない箇所は、磨き残しをしやすく、むし歯・歯周病になる可能性が高くなります。歯並びが悪い場合は、早めにご相談ください。

小児歯科に関するQ&A

Q

歯ブラシで磨くのはいつからですか?

A

上の前歯が4本生えてきたら、子ども用のハブラシで磨いてあげるようにしましょう。

Q

歯磨きをとても嫌がるのですが、どうすればいいですか?

A

無理強いするよりも、遊び感覚で楽しく短時間で済ませるようにしましょう。例えば、歌を唄いながら磨いてあげたりすることで、楽しい時間にすることが出来ます。そして、お子様が自分で歯をキレイにしようとする気持ちを育てていくようにしてください。

Q

歯磨き粉は何歳から使っても大丈夫ですか?

A

うがいが出来るようになったら使って頂けます。

Q

指しゃぶりをしているのですが、歯並びに悪影響がありますか?

A

奥歯でしっかりと噛めるようになっても指しゃぶりが続くと、噛み合わせに影響が出てくることがあります。お子様が楽しめる遊びやお喋りを一緒にすることで、指しゃぶりをしない時間を作っていきましょう。

Q

小さい子供のむし歯も診てもらえますか?

A

乳歯は柔らかいため、むし歯の進行速度がとても速いという特徴があります。すぐに歯科医院で治療を受けるようにしてください。当院では、歯医者さん特有の歯を削る音が苦手なお子様には、機械を使用せずにむし歯部分だけを溶かす『カリソルブ』という薬剤を使用してむし歯部分のみを取り除く治療に対応しております。

Q

前歯をぶつけて抜けてしまったのですが、どうすればいいですか?

A

根っこが折れてなくて歯がそのまま抜け落ちてしまった場合は、抜けた直後であれば歯を元の位置に戻すことができます。患部に触れず、抜けた歯は、新鮮な牛乳に浸した状態で持ってきてください。

妊娠したら歯の健康に気をつけましょう。

妊娠すると、歯が悪くなる方がいます。しかし、よく言われる「妊娠すると、赤ちゃんが母体からカルシウムを吸収していくため、お母様の歯が悪くなる」というのは迷信で、赤ちゃんが母体からカルシウムを持っていくことはありません。妊婦の歯が悪くなる原因は主に5つあります。

生活が不規則になる

食生活が不規則になることで、歯への負担が大きくなったり、お口の中を清潔に保つことが難しくなったりします。

酸っぱいものを好むようになる

酸っぱい食べ物は、お口の中を酸性にします。そのことで、炎症が起きやすく細菌が増殖しやすい環境になります。

歯のケアをしづらくなる

つわりによる嘔吐感によって、歯磨きをしづらくなってしまいます。

女性ホルモンの増加

女性ホルモンが増え、それを好む細菌が増殖しやすくなります。
妊娠中期から後期にかけて、上記理由によって妊娠性歯肉炎になりやすくなるといわれています。

自分のことに意識がいかなくなる

妊娠すると、お母様は全てが赤ちゃん優先になり、自分自身のケアを怠りがちになります。

妊婦の口腔ケアの重要性、妊娠性歯肉炎の危険

妊娠をしたら、生まれてくる赤ちゃんのためにも、お母様の口腔ケアに気を付けるようにしましょう。家族にむし歯の人がいると、赤ちゃんに感染する可能性があります。また、妊娠中期から後期にかけて、歯周炎になりやすくなる(妊娠性歯肉炎)といわれています。お母様の歯茎にむし歯や歯周病によって細菌が増殖すると、血液を通って全身に転移し、流産・早産・低体重出産を引き起こすことがあります。

出産後はさらに忙しくなり、お母様ご自身の歯科治療はしづらくなってしまいます。妊娠中や授乳中は治療を受けたりお薬を飲んだりすることを避ける傾向にありますが、必ずしも悪い影響が出る訳ではありません。

当然、当院では赤ちゃんに問題のない範囲で、しっかりと治療をさせて頂き、安全なお薬を処方しております。早めの口腔ケアと治療で、生まれてくる赤ちゃんを万全の状態で迎えてあげましょう。

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